チャートを使用する全てのトレーダーが一度は必ず利用したことあるテクニカル分析として
単純移動平均線が挙げられます。

『テクニカル分析は移動平均線に始まり移動平均線に終わる』
なんて言われるくらいメジャーなテクニカル
初心者からプロまで馴染みのあるテクニカルになります。
それだけ多くの人がチャートに表示して意識してるテクニカルなので機能することが多いです。
しかし、初心者の頃はどうやって活用するのかわからないと思います。
例えば、教科書通りに移動平均線を使うなら
20日移動平均線と75日移動平均線がゴールデンクロスしたら買いとか
〇〇移動平均線は機能するから指値を入れて買いなど
ゴールデンクロス、デッドクロスをサインとしてトレードするという
使い方を否定するわけじゃありませんが (実際にそれで勝てる場合もある)
それだけで勝率良く勝ち続けられるかは疑問が残ります。



移動平均線は遅行指標なので
実際にゴールデン(デッド)クロスをサインにして
短期トレードをすると後追いになる確率が高い


このページでは私の移動平均線の活用方法を説明していきます。
移動平均線の役割
①移動平均線の傾き
私は移動平均線を見るときに重要なポイントとして
移動平均線の傾きに気を付けて見ています
傾きはトレンドを表しています。
トレンドは3種類あります。
上昇トレンド・下落トレンド・横這い
移動平均線は相場のトレンド状況をわかりやすく可視化してくれます。


上の図の様に想定します。
実戦で一番警戒すべきはレンジ相場ですが
レンジ相場の対応について言及しているサイトは非常に少なく思います。
初心者の人が教科書的な説明を読んで、いざ実践してみると上手くいかない。
その理由がレンジ相場にあると思います。
まずは相場のトレンドを判定するのに
単純移動平均線を使ってみることをお勧めします。
パラメーターは分足、日足によって変わってきますが
私の場合
日足は20日移動平均線
分足は100移動平均線を基準に見ています。
②フィルターとしての役割
移動平均線以外を判断基準にトレードする時でも
移動平均線はフィルターとしての役割を担っています。
自分が常に表示させている移動平均線を基準に見て
現在の価格が行き過ぎてるのか停滞してるのかなどを
物差しのように測ることに役立ちます。



物差しのように使うなら
表示する移動平均線のパラメーターは常に同じにします。
機能させようとして頻繁にパラメーターを変更すると
フィルターにならない
例えばRSIで買いのサインが出た時に、価格が○○移動平均線の下で推移してるから買いは見送る
例えば強い上昇が起きて順張りで買いたいが、価格が○○移動平均線から大きく乖離してるから買いは見送る
など移動平均線を表示しておくと移動平均線を基準にフィルターをかけルールを作る事に役立ちます。





上のチャートでのエントリー方法は
ただの一例ですが
テクニカルを上手に使うヒントになるはず
③グランビルの法則
ネットで『グランビルの法則』と検索すると、以下の買いサイン売りサインの条件が出てきます
買いサイン1 | 上向きまたは横ばいの移動平均線を価格が下から上へ抜けた場合、買いサインとなります。 |
---|---|
買いサイン2 | 上向きの移動平均線を価格が一時下抜けた後に、再度上抜けた場合、買いサインとなります。 |
買いサイン3 | 上向きの移動平均線の近くまで価格が下落し、移動平均線を下抜けることなく再度上昇した場合、買いサインとなります。 |
買いサイン4 | 価格が下向きの移動平均線の下に大きく乖離した場合、買いサインとなります。 |
売りサイン5 | 上昇から横ばいまたは下向きに転じた移動平均線を、価格が上から下に抜けた場合、売りサインとなります。 |
売りサイン6 | 下向きの移動平均線を価格が一時的に上抜けた場合、売りサインとなります。 |
売りサイン7 | 下向きの移動平均線の近くまで価格が上昇し、移動平均線を上抜けることなく再度下落した場合、売りサインとなります。 |
売りサイン8 | 価格が上向きの移動平均線の上に大きく乖離した場合、売りサインとなります。 |
グランビルの法則は有名です。実際に意識してるトレーダーも多いと思います。
だから「今更?」という人も多いと思います。
しかし、グランビルを使ってる人ならわかると思いますが、それだけで実際に安定して勝つのは難しいです。
上手くいかない理由の一つとして、グランビルの単体使用があると思います。
グランビルの法則もサインが出るまでの過程が大事なので、基本である環境認識とプライスアクションを併用すべきです。
また、上手くいかないもう一つの理由として、レンジ相場の対応が不十分だと思います。
グランビルの法則は更にレンジ相場に合わせて分類する必要があります。
買いサイン1 | 上向きの移動平均線を価格が下から上へ抜けて終値が陽線なのを確認して買い |
---|---|
買いサイン 1.5 | 横ばいの移動平均線を価格が下から上へ抜けて、終値が陽線なのを確認して、レンジ警戒しながら出来るだけ安い買い |
買いサイン2 | 上向きの移動平均線を価格が一時下抜けた後に再度上抜けて、終値が陽線なのを確認して買い |
買いサイン3 | 上向きの移動平均線の近くまで価格が下落し、移動平均線を下抜けることなく再度上昇して終値が陽線なのを確認して買い |
買いサイン4 | 価格が下向きの移動平均線の下に○○%乖離した場合、買いサインとなります。 |
売りサイン5 | 下向きの移動平均線を、価格が上から下に抜けて終値が陰線なのを確認して売り |
売りサイン5.5 | 横ばいの移動平均線を価格が上から下へ抜けて、終値が陰線なのを確認して、レンジ警戒しながら出来るだけ高い売り |
売りサイン6 | 下向きの移動平均線を価格が一時上抜けた後に再度下抜けて、終値が陰線なのを確認して売り |
売りサイン7 | 下向きの移動平均線の近くまで価格が上昇し、移動平均線を上抜けることなく再度下落して終値が陰線なのを確認し売り |
売りサイン8 | 価格が上向きの移動平均線の上に○○%乖離した場合、売りサインとなります。 |




買いサイン1.5と売りサイン5.5を付け加えました。
『レンジを警戒しての売り買い』という説明は少し具体性に欠けますが
実際にルール化して説明するのは難しいです。
それは皆さん各々で考えてください。



裁量トレードはボラティリティーや時間帯によって判断、決断が変わってきます。例えば高値安値を切り上げた一本前のローソク足の安値を割ったら買いはロスカットと決めた場合に、許容できる損失額を逆算してエントリーポイントと建玉数を決めていきます。
グランビルの法則をトレードで実際に使うには最低これくらいの分類が必要だと思います。
プラスして上記で説明したフィルターを導入しても良いでしょう。
グランピルの法則も少しだけ手を加えて分析すると気を付けなければいけない弱点が見えてきます。
更にプライスアクションと環境認識を加えて実際のエントリーポイントを説明します。(リンク)